ツインテール

 私がツインテール狂であることはすでに表明した。
 どうしてこんなにツインテールが好きなのだろう、と悩んだものだ。私はその答えを出すために「ツインテール教入門」という小説を書いた。しかし結論らしい結論は出なかった。
 結局、おさげ髪がかわいいものだというのは動かしがたい事実である。だから、なぜかわいいんだろうと考えるのは無駄なことだ。われわれはただ美しきツインテールに対面し、その美しさに感動させてもらうだけである。

 フロイトは性倒錯の対象の例として、女性の衣服や靴などを挙げているが、そのリストの中には「おさげ髪」も入っている。してみると、おさげ髪に病的に執着する人間は、なにかリビドーがそのあたりに固着しているというわけなのか。私の場合は、おさげ髪の全体ももちろん好きであるけれど、髪を束ねた結び目の部分とか、後頭部の分け目とかも特に好きである。いったいどういう心の働きでこのような嗜好が起こるのか、じっくり考えていきたい。
 ちなみに、「靴下」はそのリストに入っていなかったが、裸体に靴下といったシチュエーションに興奮するところをみると、やはり一種のフェティシズムといえようか。
 フロイトの「エロス論集」(ちくま学芸文庫)には性に関する論文が収められているそうなので、さっそく買って読んでみたい。