ただの凡人が日記を書いて面白がってもらうのは、簡単なことではない。

 例えば、ネタ的な体験をして報告する。うまい棒だけで一週間過ごしてみたり、ポーションで米を炊いたり。

 二次元少女オタクがやれることはどんなことか。例えば、エロゲーをたくさん買って部屋に積み、その写真を撮ってウェブに掲載する。これはただのコレクターという感じでそんなに面白くない。美少女の半裸が描かれたシーツをベッドに敷く。「悟り」と称して、メイド服などのコスプレ衣装を自分で着て(顔だけ隠して)写真を撮る。他には……あまり思いつかない。まあ、普通の人があまり思いつかないことだからこそ面白いのであるが。

 このように、サイト管理人は自らピエロとなる必要がある。どこまで自分の恥ずかしい姿をさらけ出せるか。その線引きは難しく、一歩間違えるとただ寒く痛い状況を作り出してしまう。

 私は最近は二次元少女に対してけっこう淡白である。絵を見てかわいいと思うことが多いけれど、それほど強く思うことは少ない。美麗なCGイラストも、ちゅるやさんのAAも、同じようにかわいいと思える。

 私は原稿用紙の上ではしゃぎまくることができない。よく、日常生活では生真面目だけれど、漫画を描かせればムチャクチャな漫画を描くという人がいるだろう。私の場合、抑制の強い性格であって、日常生活でもウェブでもどこでも大騒ぎすることができない。
 単に能力がないというだけかもしれない。まあ、そう決め付けてしまうと話が進まないのであるが、日頃冷静な人が漫画なり小説なりに自分の全てをぶつけられるということは素晴らしいと思う。その作者は、身近に友人がいないかもしれないけれど、作品を読んだ多くの人に好かれることだろう。
 私は作家では熱情的なドストエフスキーが好きだが、迷宮的世界を描くカフカも大好きである。カフカの描き出す世界はどこか滑稽だが、とうてい笑って済まされないような深い絶望を抱えている。私は特にカフカを目標にしたいと思っているわけではないが、結果としてカフカのような世界を作り出せたら素晴らしいと思う。
 どんな漫画を描きたいかというと、すぐイメージされるのは、小原愼司の「菫画報」である。私は細かいギャグの連続が好きなようである。オチもちょっとナンセンスなぐらいがいい。いかにもマイナー志向な考え方といえる。

 いずれにしても、まだ才能がないと決まったわけではない。漫画はともかく小説の方は、人生経験を積んだらもっともっといいものが書けるようになるかもしれない。出版社に評価してもらえるまで投稿を続けることにしよう。